あの頃、私たちは明るい未来を信じていました。
夕方から夕飯にかけての時間帯、アメリカの
ホームドラマが放送されていました。
青々とした芝生(もちろん白黒の映像ですが)
が広がる大きな庭に包まれた白い邸宅。
我が家全体が入ってしまいそうな
エントランスホール。
ゆったりとしたリビング。さまざまな家電が
整備されているキッチン。
憧れの生活が毎日、毎日、テレビで放送
されていました。
初めてテレビを見たのは街のお蕎麦屋さん
でした。
それがある日我が家の6畳間にやって来て、
アメリカの生活を教えてくれました。
その中にあったものが、現実となって家に
やってきたのです。
テレビドラマで見た巨大なものではありま
せんが、ある日、冷蔵庫がやって来ました。
テレビで見ていた冷蔵庫が、実際、我が家の
小さな台所にも出現したのです。
その中で見た便利で、素敵な家電が現実と
なって行く毎日。
未来は間違いなく明るく、輝かしいものでした。
夢の実現が、当たり前のように起こっていた
のですから。
軽トラックでその夢を運んでくれていたのが
「街の電器屋さん」でした。
お店の親父さんと若い店員さんが夢の
家電を運んでくれました。
街の電器屋さんはアメリカのハイカラな
生活をリアルに実現してくれる運び手
ったのです。
「こんちはー」と言って、玄関で靴を
脱ぎながら、冷蔵庫を運んでくれました。
四角い箱だったテレビも50年の月日を経て、
今では厚さをミリ単位で言い表すような
薄型になりました。
ただリビングの中心にあることは
今でも変わりません。
そのテレビを生き返らせてくれる、
お茶の間の団らんを復活させて
くれるのは、やはり「街の電器屋さん」。
もう一度、未来を信じられるような、
豊かな生活を実現してくれるものを
日本中の家庭に運んでいただきたいのです。
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