部屋の音環境を整える最初の一歩は、音を足すことでも、消すことでもありません。いま部屋にある音が「どこから、どんなふうに」届いているかを知ることです。私たちが考える音環境とは、音量や音質を超えた、音の広がり方・方向性・持続性・空間への溶け込み方を含めた、空間全体の音の質のことを指します。
「音環境を整えたい」と思ったとき、多くの方が最初に考えるのは、良いスピーカーを買うか、静かにするか、のどちらかです。どちらも間違いではありませんが、その前に一度だけ、部屋の音を「数えて」みていただきたいのです。この記事では、その手順と、私たちが考える整え方をお話しします。
音環境とは何か
エムズシステムでは、音環境宣言でこの言葉をこう定義しています。
音環境(Sound Environment)とは、音量や音質、音楽の有無といった要素を超えて、音の広がり方・方向性・持続性・空間への溶け込み方など、音の在り方そのものを含めた、空間全体の"音の質"を指す概念です。
大切なのは、音楽が流れているかどうかや、静かかどうかは、音環境の一部でしかないということです。無音の部屋にも音環境はあり、音楽が流れている部屋の音環境が悪いこともあります。整えるべきは、音の有無ではなく、音の在り方です。
まず、部屋の音を数えてみる
いま座っている部屋で、耳を澄ませてみてください。テレビ、パソコンのファン、冷蔵庫、空調、外の交通音。小さくても途切れず、どこから鳴っているのかを意識させる音が、いくつもあるはずです。私たちの暮らしは、いつからか、こうした方向のある人工的な音で満たされるようになりました。
数えてみると気づくことがあります。それぞれの音が「点」から届いていることです。冷蔵庫はあの角から、空調はあの壁から、車はあの窓から。聞こえ方をたとえるなら、それぞれの場所から自分へ線が伸びているようです。静かなはずなのに、どこか落ち着かない。その感覚を考える手がかりの一つが、音の出どころと届き方です。ここでは、出どころを意識する音を「線の音」、空間全体になじむ音を「面の音」と呼んでみます。音の聞こえ方を伝えるための比喩です。
音量に加えて、「在り方」を見る
数え終わったら、音量に加えて、四つの観点から聞いてみます。その音はどこまで広がっているか。どちらの方向から来ているか。途切れずに続いているか。空間に溶け込んでいるか、それとも浮いているか。
たとえば冷蔵庫の音は、小さくても運転の切り替わりや響き方が気になることがあります。一方、窓の外に広く聞こえる穏やかな雨音が、背景としてなじむと感じる方もいます。同じ音でも、強さや聞く場所、人によって感じ方は違います。私たちが目指すのは、この四つの観点で、部屋の音を「線」から「面」へ近づけていくことです。
テレビも、確認しやすい音の一つです。意味のある言葉や音楽が続けて届く。見ていないときでも、その線は部屋を横切り続けています。テレビを消したあとには、それまで隠れていた小さな生活音に気づくこともあります。数えるときは、テレビを消した状態で数えてみてください。
時間帯によっても、線の数は変わります。たとえば、朝は交通音と家電、夜は冷蔵庫や空調が目立つ、といった違いです。夜のほうが静かなのに落ち着かない、という方は、線の数が減って、一本一本が際立っているのかもしれません。
音の方向を意識しにくい空間へ
まず、見ていないテレビを消す、機器の置き場所を見直すなど、減らせる音を整えます。そのうえで背景に音を添えるなら、どこへ、どう広がるかを考えます。従来の一般的なスピーカーだと向きや配置を慎重に工夫する必要があるようですが、もう一つの選択肢が、一台から空間全体へ音を広げる方法です。
エムズシステムの波動スピーカーは円筒形で、音が360度に広がります。一台でステレオ再生ができ、特定の正面の席に縛られずに楽しめます。どこから鳴っているのかを意識させない音が部屋を満たすと、それまで気になっていた生活音が、背景の一部に感じられることがあります。線を消すのではなく、面で包む。私たちはこれを、音を「聴かせるもの」ではなく「空間の質を整えるもの」として使う、と言っています。
素材にも特徴があり、自然素材ならではの落ち着いた音の質感が、住まいの空気になじみます。一台一台、日本の職人が楽器のように一つひとつ手作業で作っているスピーカーです。

スピーカーの設置例です。波紋は音の広がり方のイメージで、実測図ではありません。実際の配置は家具や暮らしに合わせて調整します。
小さな一歩から
こうした音の広がりは、小さなリビングでも取り入れていただけます。MS1001シリーズは、6畳ほどの空間でもご使用いただいています。よりコンパクトなものをお求めの場合や、アンプを別に用意せず手軽に使い始めたい場合は、アンプ内蔵型のSLA-chocolat(ショコラ)もおすすめです。
置き場所は、壁際のしっかりした棚やコンソールがおすすめです。台座がはみ出さない奥行きがあって、左右の端をふさがない程度に余裕があれば大丈夫です。
音量は小さめから始めてみてください。近くでも遠くでも普段の声で話せるか。読書や家事の背景になじむか。ご家族がどう感じるかも、聞いてみてください。
マンションなどの集合住宅でも、もちろんお使いいただけます。ホテルのスイートルームに採用されている理由として、騒音になりにくい響きというのが特徴です。
私たちは音を、光や空気と同じ環境因子として捉え、その質を設計することを「音環境デザイン」と呼んでいます。スピーカーは、その道具のひとつにすぎません。エアコンを買う前に部屋の温度を知るように、スピーカーを選ぶ前に部屋の音を知る。順番はそれだけです。
エアコンが温度を整えるように、音で部屋の空気感を整える。私たちはこれを「音のエアコン」と呼んでいます。詳しい考え方は「音のエアコン」とは?でお話ししています。最初の一歩は、部屋の音を数えることから。その先の一歩は、東京・新富のショールームで、実際に面の音に包まれる状態をご体験いただけます。
住まいになじむ音を、実際に確かめてみませんか。
東京・新富のショールームでは、波動スピーカーの自然な音の広がりをご体験いただけます。お部屋の広さや家具の配置、いま気になっている音をお聞かせください。その住まいに合う機種と置き方をご一緒に考えます。
まずは資料で、お家でごゆっくり。 新富町にお越しの際は、試聴も承ります。
よくあるご質問
音環境とは何ですか?+
音環境を整えるには、まず何をすればいいですか?+
静かにすれば音環境は整いますか?+
小さなリビングにも波動スピーカーを設置できますか?+
最初はどのくらいの音量で流せばよいですか?+
集合住宅でも使えますか?+
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